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教育から新しい社会のあり方を考える参加型ブログ。国内外のさまざまな教育の紹介など役立つ情報をお届けします。
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【編集長】
柴田敬三(しばたけいぞう)
㈱ほんの木(代表取締役・編集者)

「ほんの木」は、1986年設立の市民派・オルタナティブ(代案提示型)の小出版社。
現在、0~7歳児の親のための本「子どもたちの幸せな未来」シリーズ(隔月刊・年6冊発行)や、代替療法の本「自然治癒力を高める」シリーズ(年4回刊)を発行。
また、環境、エコロジー、NGO、ボランティア、障害者福祉、人権、民主主義、有機農業、ジャーナリズムなどのジャンルの出版物を発行してきました。詳しくは小社HPか、『売れない本にもドラマがある』(柴田敬三・著)をご覧ください。
また、市民派出版物は、なかなかメジャーに売れないため、オーガニック雑貨や健康改善の漢方入浴剤などの商品の通販&卸も手がけています。

shibata@honnoki.co.jp

ほんの木

柴田敬三の
「集まれ!世直しブログ」


*コメント、TBは大歓迎ですが、当方の一方的判断で掲載を控えることもあります。ワガママ勝手、独善的ブログですみません。
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No.62 ―北海道伊達市「ひびきの村」滞在記―

No.62  ―北海道伊達市「ひびきの村」滞在記―_e0086848_1122592.jpg少し前の話ですが、5月14日~17日、大村祐子さん代表のひびきの村のミカエルカレッジに出前授業に行きました。

5月13日(土)に札幌に入り、昨年8月8日に急逝した親友、山本武彦君の自宅の仏前で、「おい、元気でやってるか!」と線香をあげに行ってきました。私がお嫁さん、節子さんを紹介し、仲人をやった仲であり、かつ、大学時代に同じ「かつらぎスキークラブ」という日光湯元スキー場で同じ釜の飯を食ってきた親友でしたから、今も寂しさを引きずっています。2人のお嬢さんを交え、奥さんと4人でありし日の思い出をしのびました。この親友の奥さん、節子さんの手料理、うまい!プロ!絶品の数々、酒が進んじゃいました。
とにかく、酒好きの山本君が仕事を終えると、夕方、すっとんで家に帰り、毎日ふたりで晩酌をしていたという話が、よくわかりました。家族3人はしっかり立ち直っていましたから、少し安心をし、その晩は札幌市内の温泉付き低価格のパックツアーホテルに泊まり、翌14日に札幌から伊達へ移動しました。

それにしても、この函館本線に、こんな何十回も乗るとは・・・。
生前まだ元気だった頃の父(22年前に故人)と、今98歳の母と3歳の長女を連れ、その後、1994年10月20日に亡くなった、これも親友の岡田正嗣君と、札幌の山本君を交え、父がゴルフの相手をしてもらいました。もう24~5年前のことでしょうか。

その時、母と娘を連れ、一足先に札幌から、この函館本線でその日の皆の宿である登別温泉に向かったのが思い出されます。岡田君、山本君共、その「かつらぎスキークラブ」の仲間でした。札幌では、山本君の親父さんも小樽からかけつけてくれて、一晩大いにもりあがったことも記憶にあります。

あれから、山本君のお父さん、私の父、岡田君、山本君。皆現世に別れを告げてしまいました。岡田君は当時49歳、山本君は61歳。若すぎる別れです。

ふたりとも、自分の会社をやっていた経営者、たぐいまれな人格者でした。私のような小心者と違い、スケールの大きな仕事をふたりともやってました。あふれんばかりの才能のある、気配りの天才でした。従業員や仕事先に気遣いすぎて、ストレスが強かったのでしょうか。今、私が少しだけ安心しているのは、残された家族が皆、しっかりと生活し、笑顔を取り戻したことです。でも、人生ってむなしいですね。いい人間は先に行く・・・。

で、その函館本線の特急、北斗で、苫小牧、登別を過ぎ、東室蘭の次が、伊達紋別です。右手に広がる山々の裾野と緑の風景、左に内浦湾の海が広がり、弧を描いた海岸線の向こうに、はるか函館の駒ケ岳が、美しい稜線を見せます。いつ来ても心なごむ函館本線の風景です。(なかなか、ひびきの村のことに、たどり着かなくてすみません)

北海道の湘南といわれ、比較的暖かい伊達紋別は、まだ桜が咲いていました。札幌も最後のお花見のような季節でしたが、今年はかなり雪が多く、寒い日が続いたようです。

梅、スイセン、レンギョウ、チュリーップ、モクレン、それに桜。一斉に花が咲き乱れ、美しい景色があちこちに見られます。

No.62  ―北海道伊達市「ひびきの村」滞在記―_e0086848_1125192.jpgミカエル・カレッジは伊達市郊外の、有珠山と昭和新山が間近に迫る、高台にあります。農場(シュタイナー農法)、牧場(馬2頭)、オイリュトミーホール、サイエンス棟、教室、オフィス、レストラン&カフェのある本棟、それにスタッフや受講生の宿泊するロッジ風の宿舎が散在し、またキャンプ場もあります。

数万坪の高原状の緑の原野の中に、それらが点在しています。
ある、大村さんの活動を支援する企業経営者が私財を投入して土地を取得し、建物を揃え、ひびきの村に貸してくれているのです。
日本で初めてのシュタイナー思想の共同体が、ここにしっかり根付いて、存在しています。
いつ来ても、おだやかで温かな人々の笑顔があり、ゆったりとした時間の流れる場所がここにあります。

No.62  ―北海道伊達市「ひびきの村」滞在記―_e0086848_1145319.jpgシュタイナー思想の共同体といっても、宗教じゃありませんから、堅苦しい空気は全くありません。また、共同体といっても、ほぼ全面、そこにいる人の自由で生活しているため、トイレや部屋の掃除、キッチンの仕事や農場経営、月~金の授業と、土日にある、イベント等を除くと、ボーっと山々や海や景色をながめていたくなる毎日です。

私の今回の授業とは、ミカエルカレッジ、ここで行われているシュタイナー思想の学びの場「自然と芸術と人智学のコース」及び「シュタイナー教員養成コース」(2年)で、日本の政治や社会、世界と日本についてレクチャーすることでした。

この2つのコースは、1~2年、この伊達市に住んで学ぶ、いわば大人の大学のような所です。上は62歳の方から、下は19歳の方まで、17人ぐらいいます。ほとんどが20代の人たちです。
元教師の方々、NGOでアフガニスタンに2年半いた男性、海外で長い間働いていた女性など、多士済済です。

豊富な人生経験をもつ人たちの学びの場が「ミカエルカレッジ」です。大村祐子さんは、全体の母のような人。代表者として、講師として、忙しい毎日を送っています。

私は、ほんの木で大村さんの本を23冊出版した仲でもあり、また、1998年から、まだ組織も小さく、長屋のような所でスタートした「ひびきの村」の初期の頃からのお付き合いもあり、まるでスタッフの一人のように、皆さんが対応してくれます。ありがたい、第二の故郷のようなところです。

5月15日~17日、午後2コマ、午後1コマ、計8コマの他、特別にひびきの村スタッフだけの、「経営向上、企画会議」を1時間やりました。資金不足で運営が大変だからです。大村さんの単行本と、3期18冊(3年間)続いた、シュタイナーを学ぶ通信講座がそこそこ全国に浸透して、大村さんの元に、多くの人生を見つめ直したり、シュタイナーを学びたい人々がやってきました。

が、スタッフがふえれば、生活の糧も増えます。より長期的に、ひびきの村の土地や建物を使った事業性も必要となります。皆、ひびきの村の人たちは、金銭欲がありません。従って、私が「世の中に役立つことをしてお金を稼ぐ方法」を考えよう、というワークショップをやった次第です。(皆さん、あまり役に立てなくてすみませんでした)

17人の受講生へのレクチャーは、楽しかったです。同時に、難しかった、というのも正直な感想でした。
テーマが広く、深い。全体の関連性を、わかるように説明してゆく必要があるからあるからです。恐らく、単行本5~6冊分の中身を、自分流にアレンジして、お話ししてきたという感じです。早口で、盛り沢山で、消化不良起こしませんでしたか?皆さん。

最後に全員に宿題を出しました。
題して「私の住みたい日本」です。さて、どんな理想の姿が皆さんから来るか、多いに楽しみです。
本当に、日の丸君が代の強制も、愛国心、伝統・文化の強要もない、競争のない教育の現場って、いいですよね。こういうミカエルカレッジで学び、教師になった人って、生徒にとって楽しいでしょうね。シュタイナー教育の持つ力がもっと広がることを願わずにいられません。

この3泊4日の間に、5月15日(月)授業後、下山時、5月16日朝登りの時、街にある泊まっていたホテルから、歩いてミカエルカレッジに行き来しました。毎年、この出前授業の時にトライアルしている、私だけの単独行事です。

田園風景の中を、約1時間半、登り降りしました。
車社会のため、歩いている人は全くいません。
でも、歩くと色々なものが見えるのです。
(小学生が朝歩いていました)

No.62  ―北海道伊達市「ひびきの村」滞在記―_e0086848_113422.jpg小さな神社のような祠が2つあって、「きっと開拓した農民たちが、作って祭ったんだろうなあ」と感じます。牛が、馬が、あちこちにいます。
「熊に注意」の看板もあります。ミカエルカレッジのすぐ隣にです。
タラの芽があります。ふきのとうは、もう花になり葉に変わってます。
つくしはあっちこっちにぐんぐん背を伸ばしています。

川が色んな所に流れていて、みんな、アイヌ語の名前です。

鳥のさえずりがとにかくあちらこちらから聞こえます。

このブログをお読みの皆さん、一度ぜひこの「ひびきの村」ミカエルカレッジに行って見てください。心が洗われ、ストレスがなくなり、最高です。定年の方、来し方、行く方を省みるのにもいい所です。

で、そんな里山の風景を楽しむには、歩くのが最適なのです。
受講生は歩いたことがないらしく(自転車で行き来している男性が何人かいますが)、私が歩いてきたというと、少々びっくりしていました。(なんでそんなことやるの?という感じ?)

で、今回、下の街からミカエルカレッジまで、登りで1時間20分を記録。私にとっての最高記録が出ました。あと5分は短縮できそうです。

5月17日、アメリカから来ている、世界的に有名なミロのビーナスのようなオイリュトミスト、ヘルガさんの誕生会があり、私は5月18日生まれでしたのでついでに私の分のケーキもスタッフが作ってくれて、久しぶりにロウソクの灯を消しました。願いごとは、「世界が平和で幸せになりますように」と祈りました。

夜、スタッフの一人、野田さん宅の庭で、バーベキューをしてくれたり、花見をしたり、写真をとったり町民用の温泉、伊達温泉にも1回、露天風呂を楽しみにつれていってもらい、新鮮なネタで有名な回転寿司にも出かけ、私の望んだプランニングは晴天にも恵まれすべて完了した次第です。全く、生命の洗濯の日々でした。

うーん、今年の6月6日は、ほんの木20周年の誕生日。ほんの木全員で一度、ひびきの村、エンジョイ・ツアーに来たいなあ、と強く思いつつ、17日、山を降り東京に戻りました。

ひびきの村の皆さん、受講生の皆さん、大村さん、お世話になりました!長いブログですみません!


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by alternative-edu | 2006-05-30 19:43 | シュタイナー教育
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